【書評】齋藤孝『1分で大切なことを伝える技術』を読んだ感想!~人前で話すことが苦手な人におすすめ~

こんにちは!

月曜日に有給を取得して土・日・月と3連休にしたものの、1日たりとも予定が入っていなくて暇なたけしです。暇なので実家に帰ってきました笑

実家は村にあるのでとても静かで、都内より涼しい気がします。都会は遊ぶにはもってこいですが、田舎はゆっくりするにはもってこいですね。

 

さて、今回はそんな1分間が30分に感じるような時間が遅くなった感覚におちいるド田舎で、齋藤孝さんの『1分で大切なことを伝える技術』という本を読んでみたので、簡単に本の内容の紹介と読んでみた感想を書いていこうと思います!

24時間の中での1分間って聞くとかなり短い印象を受けますが、話す時間としての1分間は意外と長く、ビジネスや会社のコミュニケーションとしては十分な時間です。

僕はプレゼンなど人前で話すことは苦手ではないですが、短い時間で要点を伝えることが少し苦手なので、もしかしたら改善する手立てになるかもしれないと思い読んでみました!

 

【内容】

「現代はテクノロジーの進歩で情報が溢れていて、人はどんどん情報を切り捨てていくことを習慣化している。そんな中で、自分の話を10分も15分も続けていたら、切り捨てられてしまう。だからこそ1分間で伝える技術を身につけることが大事なのだ」

という趣旨のまえがきから始まるこの本では、「コンセプトを一文で表してキーワードで伝える方法」や「言うべきことを漏れなく伝えるメモの作成方法」など、1分間で大事なことを伝える技術とその身につけ方を紹介しています。

また、単に大切なことを伝えるといっても、どういった内容が大切なのかが分からないと思いますが、この本ではどういう内容を伝えるべきかということも書いています。

そのため、この本を読んだら一通りビジネスでの1分間コミュニケーションの使い方を学ぶことができる内容となっています。

 

【感想】

齋藤孝さんの『1分で大切なことを伝える技術』を読んでみた感想ですが、まず真っ先に思ったのは読みづらいということ。

本の内容は第1章から第6章までありますが、それぞれの章の関連性が分かりづらい!

あと、各章とその中の小項目も関連性がわかりづらいため、途中でどうしてこの話になったのかが分からなくなることがありました。

本の内容が飛び飛びになるため、「もう少し上手くまとめることができたんじゃないかなぁ」と、要点をまとめて1分間で大切なことを伝える技術を紹介している本に対して思うのは禁じ手でしょうかね。。。

 

ただ、上記のような読みにくいという問題はありますが、随所に学べる点は多くありました。3つほど紹介していきたいと思います。

 

①「説得力を高めるために経験喚起する」

経験喚起というのは、例えば、

「環境問題の中で地球温暖化が深刻な問題となっています。現状の地球温暖化を示すこういうデータがあります。(続く)」

と淡々と話すのではなく、

「環境問題の中で地球温暖化が深刻な問題となっている。皆さんも今年、5月にもかかわらず毎日25度を超す夏日で暑かったことは記憶に新しいと思いますが、実際に現状の地球温暖化を示すこういうデータがあります。(続く)」

という具合に聞き手の経験を引き出すことです。

これにより、聞き手は「そういえば今年の5月はいきなり暑くなったよなぁ」と自分の経験を思い出すので、話に説得力が生まれ、より聞き手を引き込んでいく効果が得られます。

これはマーケティングとしても昔から使われている手法ですね。

「この"ビリーズブー○キャンプ"があればあなたも間違いなく生まれ変わります!これまでダイエットをしても脂肪が落ちなかったそんなあなたも、このアメリカ軍隊式エアロビックを1ヶ月続ければ、こんな体になれます!さあ、今すぐレッツビリーブ!」

みたいな。実際にビリー隊長の商品がこんな感じで売られていたかはわかりませんが、ありがちな文章ですよね。

ダイエットの失敗を経験喚起して、説得力が高められています。

 

こういった経験喚起の話し方は上記例からもわかるように説得力を高め、聞き手を引き込む力があるので、営業やプレゼンなどのビジネスによくある多くの場面で使える技術だと思うので、覚えておきたいと思いました。

 

②話す力を身につけるために必要なのは「真似る」こと

話す力身につけたいなら誰かをモデルとして観察し、その話し方を真似をすることが一番手っ取り早い、ということが書かれています。

 

実は僕、毎日寝る前にYoutubeサンドウィッチマンのネタを見て寝るっていうのを日課にしています。

正直もう何度も同じネタ見てるので、ハンバーガー屋さんのネタとか一人でできるくらい覚えちゃってて、もはや真顔で暗闇の中サンドウィッチマンのネタを見るという狂気の沙汰を見せつけちゃっているわけですが、なんで見てるかというとあのボケや突っ込みのテンポ、言い方、雰囲気を体に染みつけたいと思ったからです。

いやだって、あのサンドウィッチマンと同じトーク力を発揮できたら、絶対面白いやつになれますよ!!

もし合コンとかでサンドウィッチマン並みに面白いトークするやついたら一瞬で惚れるでしょ!

僕が話し始めたとたん、もう笑いがドッカンドッカン。女の子は「大好きお付き合いしてください」。そんで僕が「ちょっと何言ってるのかわからない」。そんでまた笑いがドッカンドッカン、みたいな。

 

 

…ふう、マジで自分がちょっと何を言ってるのかわからないですね。

 

ともかく!話が逸れましたが、他の人の話し方を真似するというのは、マジで有効だと思います。僕もサンドウィッチマンの言い方を真似して、笑いを取ることもあります。

是非お勧めの手法なので、コミュニケーションが苦手だなと思う人はやってみてください。

 

③スピーチで漏れなく自分が伝えたいことを話せるようになるメモ術

僕はスピーチとかをした後、「こういう話をしようと思ってたのに、忘れてた」とか「いらん話をして時間が足りなくなってしまった。」とかけっこうあります。

そして、この本ではそれを防ぐメモ術が紹介されています。

 

やり方はまず、話しておきたいキーワードを極力多く紙に書き出す。その後、重要なものを選び、赤ボールペンで囲む。合わせて、それに付随する自分の経験や関連する小ネタ的な話を緑ボールペンで囲む。

これで完成です。

 

僕は、このメモは確かに言いたいことを忘れずに言えるメモだと思いましたが、もうひとつの大きなポイントとして、赤い枠で機能的価値がある話を忘れずに伝えることができ、かつ緑枠で話に情緒的価値を生み出せる構造となっています。

マーケティング的な話になってしまいますが、機能的価値っていうのは「ダイソンは吸引力が世界一で、どんな埃も吸いこんでしまう」というその商品ができることそのものに対する価値のこと。

情緒的価値っていうのは「ダイソン買う前は掃除が嫌で嫌で仕方なかったけど、ダイソン買ったら掃除が楽しくて楽しくてしょうがない。」みたいな商品を使うことで得られる心理的な価値のことです。

人間っていうのは、ただ機能的価値を提供されても共感できないのでなかなか価値を感じないのですが、情緒的価値は共感することで高い価値を感じます。その結果、商品を購入する確率が上がったりするわけです。

 

少し話が逸れてしまいましたが、このメモは自分が伝えたい内容(赤枠)とそれに対する自分のオリジナリティの内容(緑枠)が一発で見れるので、伝えたいことを整理しつつ、相手の感じる価値を高めるトークをすることができるよになる、とても良いメモの作成方法だと思いました。

 

最後に

ということで、今回は齋藤孝さんの『1分で大切なことを伝える技術』の内容の紹介と読んでみた感想を書いてみました!

たまたまなんですけど、この本を読んでいる時に妹が日テレのTV番組「人生が変わる1分間の深イイ話」を見ていたのですが、どう考えても1分間で話が収まってなくて、1分で大切なことを伝えるって難しいんだなって思いました。

とまあそんなことはさておき、この本では紹介した内容の以外の1分で大切なことを伝える技術や、そもそものコミュニケーション能力の身に付け方、改善方法などについて書かれています。

ビジネスコミュニケーションを鍛えたい人にはもちろんですが、そもそも人前で話すことや普段のコミュニケーションがそもそも苦手な人にも良い本なのかなと思います。

もし良かったら読んでみてください。

 

以上、たけしでした!